横山大観 ≪不二霊峰≫ 1936年頃
開館25周年記念
小杉放菴記念日光美術館
展覧会名 |
開館25周年記念 大観とその時代 光ミュージアム名品展 |
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会 期 |
2022.07.09 Sat - 2022.09.11 Sun |
休 館 日 |
毎週月曜日 |
開館時間 |
午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入 館 料 |
一般 730(650)円、大学生 510(460)円、高校生以下は無料 ※( )内は20名以上の団体割引料金 ※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、日光市公共施設使用料 免除カードの交付を受けた方とその付き添いの方1名は無料 ※第3日曜日「家庭の日」(8月21日)は、大学生は無料 ※7月24日「親子の日」は高校生以下のお子様お一人につき保護者様2名まで、全員入館無料 ※日光市民は一般300円、大学生200円、高校生以下無料 |
場 所 |
小杉放菴記念日光美術館 MAP |
主 催 |
公益財団法人 小杉放菴記念日光美術館/日光市/日光市教育委員会 |
特別協力 |
一般財団法人光ミュージアム |
企画協力 |
株式会社アートワン |
お問合せ |
小杉放菴記念日光美術館 TEL:0288-50-1200 |
■ 展覧会概要
本展は、1999 年に岐阜県高山市に開館した光ミュージアムのコレクションより、近代の日本画の名品の数々をご紹介する、関東では初の展覧会となります。
近代以降の日本画を牽引した日本美術院は、明治という時代の変革期に、岡倉天心の理念のもと新しい日本画の創造を目指して活動しました。初期の構成員には、橋本雅邦、横山大観、下村観山、菱田春草らが名を連ね、西洋画の技法も取り入れながら新しい時代にふさわしい日本画を創っていきました。その後、天心を失った美術院の再興に寄与した小杉未醒(のちの放菴)は「片ぼかし」の手法を日本画に取り入れ、小林古径、前田青邨らに影響を与えます。一方、日本美術院の院展と相反する展覧会として存在したのが、文部省美術展覧会(文展)でした。後の帝国美術院展覧会(帝展)時代も含め、官展と称されたこれらの展覧会でもまた、川合玉堂、鏑木清方、上村松園など、風景画や美人画を代表する多くの画家が活躍していきました。 光ミュージアムは、「光」をテーマにインカやエジプト文明、日本の縄文土器、江戸時代の浮世絵や刀剣、そして近現代の日本画や洋画など多種多様な資料を収蔵する総合博物館として地域社会に貢献しています。本展では、その膨大なコレクションの中から、とくに当館の館名を飾っている小杉放菴と、放菴と深い交流のあった横山大観にスポットをあて、彼らが生きた時代の院展や官展で活躍した画家たちの作品をご紹介するものです。
■ 会期中のイベント
【担当学芸員によるギャラリー・トーク】
8月7日[日]、7月10日[土]/午前11時より1時間程度
※入館券をお求めのうえ、美術館受付前にお集まりください。
1. 珠玉の日本画コレクション、関東で初公開
光ミュージアムは、「光」をテーマにインカやエジプト文明、日本の縄文土器、江戸時代の浮世絵や刀剣など多種多様な資料を収蔵していますが、そのなかでも近現代の日本画コレクションは、たいへんな名品ぞろいです。2019年に弘前市立博物館で「光ミュージアム 近現代日本画の軌跡」が開催された時には入館者数が5千人を超える好評を博しました。本展では、小杉放菴と同時代を生きた近代の日本画家たちの作品42点をセレクトしてご紹介します。光ミュージアムの近代日本画コレクションがまとまって展示されるのは、関東圏では初めてとなります。
2. 横山大観の名品 11点を一挙公開
光ミュージアムの日本画コレクションのなかでも核となるのが、10数点におよぶ横山大観の作品群です。本展では、初期の名品《秋の月》から六曲一双の大作《不二霊峰》まで、大観の名品 11点を展示替えなしで一堂に会します。また光ミュージアムが所蔵する小杉放菴の全作品にあたる6点をあわせて展示することで、放菴と大観の交友にもスポットを当てています。
3. 知る人ぞ知る名品の数々
注目すべきなのは横山大観ばかりではありません。川合玉堂の大作《湖村夕照》、鏑木清方の《権八小紫》など、その画家の回顧展にも出品されたことがある、知る人ぞ知る名品の数々が、光ミュージアムのコレクションを彩っています。大観周辺の画家では、菱田春草の《湖辺》、下村観山の《武陵桃源》。官展系では山口蓬春の《渓瀑》や磯田⾧秋《麗日》など、いずれも当館学芸員が惚れこんで借用をお願いした名作ばかりです。
左:横山大観 ≪秋の月≫ 1900年 / 右:横山大観 ≪暮色≫ 大正中期~昭和初期
Ⅰ 大観と放菴
日本美術院の再興以来、⾧年の親友であり続けた横山大観・小杉放菴。光ミュージアムのコレクションにはこの二人の作品も多くあり、とくに大観のコレクションは、質量ともに素晴らしいものです。本章では、その交友にスポットを当てます。
左:横山大観 ≪蓬萊山≫ 1939年 / 真ん中:小杉未醒(放庵) ≪たいざん木≫ 1919年 / 右:小杉放庵 ≪山居≫ 1928-1933年頃
Ⅱ 日本美術院の周辺
岡倉天心を中心に1898(明治31)年に創立、天心没後の1914(大正3)年に横山大観・下村観山、そして小杉放菴らによって再興された日本美術院は、翌年から通称「院展」と呼ばれる、現在も続く公募展覧会を開催しました。光ミュージアムのコレクションは、院展から輩出された小林古径、前田青邨、安田靫彦といった次世代の画家たちの作品も充実しています。
左:菱田春草 ≪湖辺≫ 1902年 / 右:下村観山 ≪武陵桃源≫ 大正期
Ⅲ 官展の画家たち
新しい日本画を創造しようとしていた院展に対して、文展・帝展は保守的だったと思われがちですが、叙情的な風景画で国民画家と称された川合玉堂や、関西画壇の巨匠・竹内栖鳳、美人画で名を馳せた鏑木清方など、官展からは国民から絶大な人気を誇る画家が数多く生まれました。最終章では、そんな大観のライバルたちの活躍をご紹介します。
川合玉堂 ≪湖村夕照≫ 1910年
左:山口蓬春 ≪渓瀑≫ 昭和初期 ©公益財団法人JR東海生涯学習財団 / 真ん中:磯田長秋 ≪麗日≫ 1935年 / 右:鏑木清方 ≪権八小紫≫ 1923年頃 ©Akio Nemoto 2022 / JAA2200058
左:上村松園 ≪三美人之図≫ 1908年 / 右:伊東深水 ≪晴日≫ 1941-1942年