圧倒的な存在感と世界観を持つ彼の作品から伝わってくるのは、
静けさの中にある柔らかさとほんのりとした温度。
作品の前に立つと、時間が止まった中で自分だけが呼吸をしているかのような緊張感を覚えます。
陶芸家、小野澤弘一。
薄くなめらかな肌を持つモダンな土の造形と、錫や漆を巧みに用いた鈍い美しさを放つ作品は、国内外で高い評価を得ています。
はるか土器の時代から続く、土や漆を用いてきた先人の歴史を敬し、未来へとつなげていきます。
例えば金網に絡ませる、スポイトで垂らしてプレスする。
日常生活に溢れる「紙」の原料がアーティスト半澤友美の手によって姿を変え彼女の表現手段となったとき。
その佇まいはおごそかな存在感を持ち能動的とも言えるほど見る人に何かを問いかけてきます。